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とっておきの宅配便 バンザーイ三唱(其の二)

お届けの荷物はクイズの賞品、荷物はそれほど重くはなく、二個一組で常五郎の両手いっぱいに抱えられている。
「すいません、みさとさんは・・・」
一瞬、三段構がゆれた。
みさと!同時に三人の女の子は歓声を上げた。そしてそのまま後の両親へ(あたったあー)と体を預ける。オットットー、ヤセギスなお父さんがわざとよろける。
まだこちらが何も言わないうちにこの騒ぎである。しづかに、しづかに、お母さんも舞い上がっている。三人の子供を制しながら荷物を指差して
「あのーそれ、放送局の・・・クイズの・・・」
「はい、そのようです。これクイズの賞品!すごいですねーえ」と常五郎。
「そうなんですよ、一家全員で応募しました。末っ子の名前で当っちゃったんだなあー」とお父さん。
「それは、おめでとうございます。そうするとこちらのおじょうちゃんのお手柄ですか。」
常五郎は一番ちっちゃな女の子の頭に手を置いた。
その時、お父さんの姿が見えなくなったが・・・すぐにスヤスヤ眠っている赤ん坊を抱いて出て来た。
「この子がみさとちゃんでーす」
なんとお父さんのかわいいこと。
「ではみんなでオジサンにお礼のごアイサツをしましょうね」
お母さんのやさしいひと言がある。
「オジサン、アリガトウゴザイマシタ」
声をそろえて三人のカワイイ女の子がキチンと挨拶をする。スヤスヤお手柄のみさとちゃんの頭を、お父さんがちょいとかたむけた。
常五郎三世あわててキオツケの姿勢をつくり最敬礼をする。(アリガトウゴザイマス)
やあ、よかった、よかった、これで大役をとどこうりなく果した。誠にサワヤカ、ホットしてドアを背中で押そうとした。その時である。
おどろくなかれ、目の前で、トツゼンの万才三唱が起こったのである。
「バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」
あの大衆魚の名をつけたお笑いタレントそっくり、明るいお父さんが音頭をとっているではないか。
常五郎三世も思わずつり込まれてしまった。
皆さん、いつまでもお幸せに。
バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ。
終り

本編をもちまして
シロネコトマトの宅配便の最終便とさせて頂きます。
永いあいだの
ご愛読ありがとうございました。

常五郎三世

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