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傘寿を過ぎての入院体験記(5)

入院一週間、だいぶ身体も病院生活になれてきた。当初、消灯が夜の9時半、入院前は12時近く迄起きていたので、、他の患者さんの寝息が聞こえあせっていたが、今は何とか10時頃には寝られるようになった。エアコンの室温調整が良く近くの71歳の患者さんは、「寝巻の下にシャツは着ていませんよ」と言っていたのに、私は未だに長袖のシャツ、「今日から半袖にしよう」と自分に言い聞かせた。朝起きてまずする仕事はトイレに行き、その後体重測定、自分で測り決められたところに記入する。お風呂の入る順番取りもあり、これをすると朝食が8時に来る。食後1時間は座って、窓の外の景色を見るか、テレビを見るかしている。ふと、65年前の入院生活を思い出す。当時のベッドは、旧軍隊の木製のベッドに、マットは布の中にお米の藁が入っていた。現在のベッドと比べると隔世の感がある。今日からいよいよ化学療法に入る。一日一日が未知への挑戦、気長に前を見て、あせらず、やっていこう。

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坪郷