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学童疎開といじめ

約70年前、第二次大戦の最中、日本では大都会の小学生(3年生~6年生)を田舎に国が強制的に集団疎開をさせた。当時(3年生)私も親に説得され参加した。東京都板橋区から群馬県上越線の上牧駅のひなびた温泉地の旅館に、約1年間疎開した。各学年10名、全員で40名程度のグループで参加。教員2名と付添いの若い女性2名が先生であり、親代わりであった。夕方になると東京の方を見て、涙を流しているのが何人かいた。

半年を過ぎた頃、同級生のA君より苛め(いじめ)を受けていると相談があった。いじめの内容は今と違って些細なものであった。食べ物を見せびらかす、話の中に入れてくれない等々、当時疎開先では充分な食べ物もなく、大豆カスの入った御飯と南瓜の味噌汁、昼はサツマ芋、夜は南瓜の煮つけと量も少なく、いつもお腹をすかしていた。いじめた側のB・C君の家は、当時郊外で親が農家。家から干しイモや炒り大豆などを送って貰い、当時では羨ましい存在だった。子供ながらの義侠心で2+2の対決で勝利し、以後はなくなった。昔も今も苛めはあるが、最近の苛めは陰湿だ。犯罪に近いものもあり、絶対に許してはならない。苛めは何故なくならないか、それは親の大部分は子供達に苛めは悪だと親が小さい時に教えていないのではないだろうか。人間は万物の霊長と自負するのはいいが、所詮動物。動物の子育ては実に立派、小さい我が子に繰り返し教える。正に親の姿を見て育つ、これが真の教育、学問を学ぶ前の基本を教えるのは親しかいない。「三つ子の魂、百まで」小学校に上がる前に徹底して善悪を教え、小学校入学すれば、親と先生が同じ目線でルールや道徳に対し子供と向きあう社会性が大事。陰湿な苛めは悪。絶対にあってはならない。

T.T